風の吹くまま、日々の雑感を記録しとこうか程度の日記です。誹謗中傷や個人攻撃&個人の信用にかかわること、理解を求めない一方的なコメントは、独断で削除することもありますし、閉じることもあります。


by ende_m
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御巣鷹山慰霊登山

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 少し前の話で恐縮だが、御巣鷹山の慰霊登山に行ったときの話。何といっても、20年来の謎が解けた?ように感じたのだから、仕方が無い。
 
 今から20年前の1985年8月12日18時58分、日航123便(ボーイング747SR−100)は、群馬県上野村の御巣高の尾根に墜落した。4名が救出されたものの、たった一機の事故としては、520名の尊い命を一瞬で奪った航空史上最悪・最大の航空機事故だった。
 
 この事故については、山崎豊子「沈まぬ太陽」を数年前に読んで、なるほど、日航ってのはとんでもない会社じゃなかろうかと思った記憶がある。横山秀夫の「クライマーズ・ハイ」は、まだ読んでないが、中々面白そうだ。




 ということで、10月20日、ひょんなことから航空安全推進連絡会議の慰霊登山に参加できた。というか、おじゃま虫だし、知り合いは皆無だし、参加と言えるほどのものでは無いっちゃあない。

事故機の破片が…
 慰霊登山のリーダーである、日航機長組合の現役機長の登山注意があり、11時過ぎに登り始めた。急な山道だが、遺族も登れるように、要所要所に休憩するためのベンチが設置されていた。しかも、登山口には、杖も置いてある。
 昇魂の碑の手前で、目の前を歩いていたグループが、登山道脇で事故機の破片を見つけて掘り起こしていた。これには、びっくりだ。聞くところによると、事故当時、山肌にネットを掛け、土をひきつめただけなので、20年たち、盛り土も流れネットも破損しているので、まだあちこちから破片が出てくるのだそうだ。
 
 昇魂の碑で30秒黙祷し、この日のリーダーである日航の現役機長が、プラモデルを使って事故の状況、経過と原因を話してくれた。
 それによると、まず日航機は、御巣鷹の東方面の500メートル先の向かいの尾根に、右の主翼を引っ掛け(尾根がUの字にえぐれているのが目視できる)、逆さまにひっくり返る形で、3秒後頭から御巣鷹の尾根に激突したのだそうだ。その際、後ろの機体がポッキリと折れ、山の斜面を滑落したのだそうだ。時速500マイルの猛スピードで、そのままの状態で頭から激突していたら、全員助からなかったとも言っていた。偶然機体が折れたため、後部座席からの生存者がいたとのことだった。
 
原因は「フラッター現象」?
 それにしても、何故日航123便の垂直尾翼が吹き飛んだのか?今回の説明によれば、一番矛盾の無い経過が妥当なのではないかとの事だ。
 垂直尾翼が吹き飛ぶ原因としては、内部からの圧力によるか、外部からの圧力かのどちらかでしか無い。当時の事故調査委員会は、事故原因を、「昭和53年の大阪国際空港におけるしりもち事故の修理ミスにより、後部圧力隔壁が金属疲労を起こして亀裂が入り、客室内の気圧に押されて隔壁が壊れ、中から垂直尾翼を吹き飛ばした」と結論づけた。しかし、圧力隔壁が壊れたならば、客室内は急減圧が起きなければ説明がつかない。当時の客室内の写真などで、急減圧が無かったことは実証されている。この辺が謎だったんだよね。では、外部からの圧力なのか?今回の説明では、自衛隊などの誤射説もあるが、間違いの無い(一番矛盾の無い)推論としては、「フラッター現象」によって、垂直尾翼が吹き飛んだのではないかと考えていると語ったのだ。そして、垂直尾翼が吹き飛んだことで、四系統ある油圧が切れ操縦不能に陥ったのだそうだ。ちょうど、坂道でハンドルもブレーキも効かない自動車のようになったのだそうだ。
 「フラッター現象」とは、旗が風ではためくように、空気抵抗によって起こる異常振動のことだそうだ。飛行機は激しい空気の抵抗を受けて飛ぶ。翼などがしっかりと固定されていれば異常振動は起きないが、留めネジが緩んでいたりすれば異常振動が起こるのだそうだ。

 当時、アメリカのボーイング社から、日航にジャンボジェットの売り込みがあった際、ロングレンジ(長距離用)はいらないが、国内用のショートレンジ(短距離用)ならば、大量に買うとしたそうだ。だから、海外向けの長距離用のジャンボを、発着回数も比べ物にならない国内線用に、足回りなどを強化したそうだ。しかし、垂直尾翼と方向舵は、そのままの状態で輸入したのではないかと言われている。事故直後、日航はすべての機体を調べたそうだが、ほとんどの機で垂直尾翼や方向舵を留めるボルトなどが緩んでいたり、中には、完全に外れていたものもあったという。今は、全て強化されているそうだが、飛行時間25000時間を超す、当時の123便の垂直尾翼のネジやボルトが緩んでいたことは、十分に考えられるのだ。

 垂直尾翼を留めるボルトなどが緩んでいた123便は、飛行中に激しい「フラッター現象」を起こし、垂直尾翼が吹き飛んだ。 これがすべての状況と矛盾しない、一番整合性のある結論なのだという
 
 ボーイング社や事故調査委員会は、しりもち事故の修理ミスによる隔壁損傷を原因と断定して、早々と調査を打ち切ったが、修理ミスが原因となれば123便の問題だけになる。「フラッター現象」が原因となれば、すべての機の垂直尾翼などの強度と整備の問題になる。だから彼らは、修理ミスにしたのではないかと言われているのだ。さすが、日航。やることがエグイ。
 この慰霊登山に同行された元・日航パイロットで、航空機事故調査の世界的権威である藤田日出男さんも、同じ意見を述べ、ボイスレコーダーの中に、「フラッター現象」特有のノイズが確認されていることも明らかにした。
 そして、「日航123便の垂直尾翼は70%が相模湾から引き上げられていない。事故調査委員会は、これを引き上げ、もう一度調査をやり直してほしい。尾翼を調べ直しても、もうボロボロで原因が判らないかも知れないが、今後の航空機の安全のためにあの間違った結論だけは撤回すべきだ」、「これから800人乗りジャンボ機が就航するが、この機は機体を軽くするため、プラスチックとグラスファイバーの混合体を使っている。この強度は、実地では確かめられていない。ある事故では、この素材を使った飛行機の垂直尾翼が、接着部分からきれいにもげたことがある」、「航空機のハイテク化も、安全のためではない。オペレーターや整備士を削減するためだ」と語った。同時に、当時後部にあるトイレのドアが飛行中閉まらなくなるという裏話まで披露してくれた。クルーの荷物の重さが原因で、ドアが閉まらなくなると言われていたそうだが、実は、尾翼がそんな状態故に、機体そのものが歪んでいたのではないかというのが、定説だという。荷物を降ろしても、ドアの故障は続出していたそうだ。二度と飛行機には乗りたくないと思うほど、怖い話だ。
 
自衛隊がまたやっちゃったのか疑惑?

 機長は、「さかさまになって尾根に激突したため、上になった胴体後部が折れてスゲノ沢を滑り落ちた。だから生存者が多数残った。救助が早ければ、4人だけではなく、数十人が助かっただろう」「墜落から16時間も救助が遅れたことが、助かる人を助けられなかった」と、怒りを滲ませていた。
 墜落地点が二転三転したことの理由については「自衛隊が雫石事件のように、またやっちゃたかも知れないと疑心暗鬼になり、その確認作業のために情報操作をしたためではないか?一番矛盾が無いものが、真相に近いのではないか」とも語っていた。当時の中曽根首相と後藤田官房長官の指示だろう。その時、中曽根首相は、軽井沢にいたんだよね。
 
利益優先・安全軽視が一番の原因だね
 しかし、いくら事故の直接の原因がわかっても、日航やボーイング社の、利益優先経営のための安全軽視と、人命救助より、国家と自衛隊の体面を優先させた政治によって、520名の命は失われたことに変わりはない。
 「利益優先、安全軽視」この体質が一番の事故原因だが、図らずも、20年後、尼崎でJRの事故が起きた。合掌!

※藤田日出男さんの著書(著書「あの航空機事故はこうして起きた」新潮社05.9刊・1050円/「隠された証言・日航機123便墜落事故」新潮社03.8刊・1575円)
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by ende_m | 2005-11-21 22:58 | 日記