風の吹くまま、日々の雑感を記録しとこうか程度の日記です。誹謗中傷や個人攻撃&個人の信用にかかわること、理解を求めない一方的なコメントは、独断で削除することもありますし、閉じることもあります。


by ende_m
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クリエーター大国の実現ですか?

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 昨年から、今後の輸出産業として期待の高まるコンテンツビジネスについて、経産省を始めとする政府のコンテンツビジネス推進政策が、如何に現場の実態と乖離して進められているかを、こことかここで取り上げてきた。
 気がつかなかったのだが、この間ネットを見てたら、2月20日、政府の諮問機関であるデジタルコンテンツ専門調査会デジタル・コンテンツワーキンググループが、「デジタルコンテンツの振興戦略(案)」を出していることを発見した。
 その振興戦略(案)は、「日本を世界トップクラスのデジタルコンテンツ大国にする」という基本目標を掲げ、目標1として、ユーザー大国を実現する。目標2として、クリエーター大国を実現する。目標3として、ビジネス大国を実現する。としている。
 ここで、この戦略案に注目したいのは、具体策にある(提言6)のクリエーターが適正なリターンを得られるようにする。というところにある。




 ―――以下戦略推進(案)、引用。

デジタルコンテンツの振興戦略(案)                  2006年2月20日
                                知的財産戦略本部 コンテンツ専門調査会
                                デジタルコンテンツ・ワーキンググループ

3.具体策

目標2:クリエーター大国の実現

(提言6) クリエーターが適正なリターンを得られるようにする

<課題>
 豊かなコンテンツが提供されるためには、コンテンツを制作するクリエーターが重要である。企業においてはクリエーターを尊重し、育てていくという姿勢が必要であり、また、クリエーター自身も、成果に見合い、次の創作活動につなげられる報酬を手に入れるという感覚を持つことにより、創作活動の一層の活性化につながる。そのために、特に個人クリエーターや制作会社が適正なリターンを得られる仕組みづくりを進め、クリエーターの創作意欲の向上を図り、能力を最大限に発揮できるようにする必要がある。

<解決策>
(1)デジタルコンテンツにおける公正かつ透明な契約慣行
 コンテンツ業界においては、これまでにも、不透明な契約慣行や非合理的な取引慣行の存在が指摘され、業界の近代化・合理化が求められていた。今後本格化するデジタルコンテンツの分野においては、公正かつ透明な契約慣行を作り、競争政策の観点から、独占禁止法や下請法の厳正かつ迅速な運用により監視を強化する。
 また、著作権等管理事業等のスキームを活用し、クリエーターの組織化を進めることにより、競争制限的にならないよう留意した流通事業者等との団体間の協議等による一定の契約条件作りを行い、クリエーターに不利にならない契約慣行を作る。

(2)契約における自主基準やひな形の策定・見直し
 クリエーターと制作会社との間又は制作会社と流通事業者の間の契約は、その力関係により、必ずしも公正なものとなっていないという指摘がある。それを受け、例えば、放送事業者と番組制作会社の取引については、自主基準や契約見本の取りまとめが行われ、当該業界における契約の公正性と透明性の確保が進んだところである。
 そのため、各業界において、クリエーターを交えて、自主基準や契約のひな形を策定するとともに、必要に応じ、アニメモデル契約等すでに作成された自主基準や契約のひな形の見直しを行い、公正かつ透明な契約が行われるようにする。その際、エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワークの活動に期待する。
 また、競争制限的にならないよう留意しつつ、事業者が、上記により作成された自主基準や契約のひな形を積極的に活用するよう奨励する。

(3)ヒットに応じた報酬を得られる契約方式の導入
 作品のヒットのためのクリエーターの才能と努力に報いることにより、クリエーターの創作意欲の向上を図るため、作品がヒットした場合には、クリエーターに対し、それに応じたより多くの利益が還元される仕組みを作る必要がある。そのために、クリエーターと事業者等の間で結ばれるコンテンツ制作における契約について、作品がヒットした場合には、それに応じて追加的に報酬が得られる契約方式を導入し、クリエーターが望む場合にはそのような契約が選択できるようにする。

――― 引用終わり

 是非、この具体策を実現してもらいたいと思うし、絵に描いた餅に終わらせないで欲しいと思う。しかし、クリエーター大国は望むところだけど、「クリエーター天国、後は地獄」にしてもらいたくは無い。何度も言っているけど、映像産業は労働力集約型であり、優秀なクリエーターの表現を実現するためには、多くの技術者、スタッフの支えが必要だからだ。年収200万円のスタッフは、何もアニメだけではない。テレビや映画のスタッフにもゴロゴロいることも忘れないで欲しいと思う。

 何はともあれ、この振興戦略(案)は、今後各省庁と調整され「政府の知的財産推進計画2006」として発表されるそうだが、調整の中で骨抜きにされないことを祈るばかりだ。
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by ende_m | 2006-04-07 00:39 | 日記