風の吹くまま、日々の雑感を記録しとこうか程度の日記です。誹謗中傷や個人攻撃&個人の信用にかかわること、理解を求めない一方的なコメントは、独断で削除することもありますし、閉じることもあります。


by ende_m
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再度、クリエーター大国の実現ですか?

 今から3ヶ月前、政府の諮問機関であるデジタル・コンテンツ専門調査会による「デジタルコンテンツの振興戦略(案)」を紹介した クリエーター大国の実現ですか?というエントリーをしたんだけど、6月8日に、内閣府の知的財産戦略本部による「知的財産推進計画2006(H18.6.8)」が発表されていた事に、忙しさもあって全然気が付かなかった。

 それにしても、この知的財産戦略本部の構成メンバーは凄いね。小泉首相を本部長に、安部官房長官が副本部長だし、各大臣オールキャストの小泉内閣総出演といった陣容だ。これからの、日本の産業を考える上からも総力を挙げていることが伺える。

 で、この知的財産推進計画2006なんだけど、全ての知的財産を網羅しているので、映像はもちろんのこと、ネット関連、食文化、ファッション関連も含んでいるもんだから、全部で154ページもあるし、別冊参考資料や、結果概要、団体からの意見、個人からの意見、議事録なんかもあるから、ものすごい膨大な量になる。ツッコミどころも満載なんだけど、かなり真面目な話しだし、結構面白いと思うので、暇な人は一読をお勧めします。

 前回のエントリーでは、アニメ産業について、せめて現場の労働者が食えるシステムにしなければ、コンテンツを生み出す活力もなくなるし、将来海外に売るコンテンツそのものが無くなっていくという危機感を背景にしていた。その点を重点的に検証したいと思う。

 この「知的財産推進計画2006」は、総論、重点編、本編、成果編、付属資料という構成だが、ここでは、前回のエントリーとの関係で、第4章「コンテンツをいかした文化創造国家づくり」の、2.クリエーター大国を実現するっていうところに注目したい。
 
 最低賃金以下の収入で、メシも食えないアニメ労働者を、政府はどう考えているのか?興味のあるところだからね。

1)コンテンツ業界における関係者の共通理解に基づく契約慣行の改善や透明化に向けた取り組みを奨励・支援するため、映画、音楽配信、アニメ、ゲームソフトなどのコンテンツ業界における業界構造や契約・流通の慣行などについて2006年度も引き続き、実態を調査し、公表する。(経済産業省) 
 えっ!ってことは、実態を掴んでないし、わからないってことですか!まぁ、経済産業省は正直に告白しちゃってるんだけど、これは良いでしょう。許す。しょうがない。知らないんだから。むしろ、知りたいと思ってますって聞こえますから。

産業的に考えるなら問題は、次だと思う。

2)2006年度も引き続き、個人クリエーターの自主的な組織作りを奨励するとともに、クリエーターに不利にならない契約慣行や事故災害補償の在り方などの活動環境づくりに向けた検討を行い、必要に応じ所要の措置を講ずる。(厚生労働省、文部科学省)

 つまり、政府としては、アニメ労働者による共同組合、例えば「アニメ作家協会」のような協同組合があれば、業界団体(日本動画協会しかないけど)との調整を買ってでましょうって言ってるんだね。アニメーターの著作権や、最低単価、社会保険制度についても間に入る姿勢はあるようだ。

 ただ、悲しいかな日本には、アニメーターの協同組合なり、業界を代表する団体は無い。文化団体はあるかもしれないし、労働組合はその任ではないしね。

 例えば、著名なアニメ作家の人が呼びかけ人になって、アニメ業界の団体を作り、対政府交渉や業界団体との一定のルールを作ることができれば、日本のアニメ産業は一変するし、将来のクリエーター育成にも道が開けると思う。
 むしろ、働く側、こちら側の問題ということが、はっきりしてきたのではないかと思う。

 笛吹けど踊らずじゃないし、誰かがやってくれるわけでもない。自らの問題としてアニメーター自身が立ち上がらなけりゃ、一生隷属されたままだと思うのだ。

 因みに、法的には「職務発明」についての法改正があったと自慢してたけど、むしろ「職務著作」について、調査研究し保護すべきだと思う。

 あと、弁護士や弁理士もたりないんだろうけど、このままでは、守るべきコンテンツがスカスカになっちゃうよ。クオリテーの劣化も含めてね、ってことをまず理解しといてくださいね。思いつきや企画さえあれば、作品が出来上がってくると思ったら、大間違いなんだから。

 余談だけど、「世界にストリートファッションを紹介する」(経済産業省、国土交通省)ってのも、「へ~っ!」って思ったんだけど、「外国人マンガ家を顕彰する」(外務省)ってのがあって、麻生さんいくらマンガ好きだからって、外国人漫画家を顕彰する前に、国内の一枚187円で、一月500枚で生活しているアニメーターや、1カット4000円の原画マンを、早いとこ救ってくださいって強く思ったのだ。

お気楽な第14回知的財産戦略本部議事録もどうぞ

 キーワードは、「黄色い朝顔」と「ダビンチコードの海賊版」「マンションドアの認証システム」でしょうかね。
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by ende_m | 2006-07-07 00:06 | 雑感